
片隅企画presents
岸田國士戯曲を楽しむ、俳優による朗読会
『ヂアロオグ・プランタニエ』『百三十二番地の貸家』
『屋上庭園』『命を弄ぶ男ふたり』
作=岸田國士
2025年8月10日
東温アートヴィレッジセンター アトリエNEST

出演
『ヂアロオグ・プランタニエ』
木村波音(東温市地域おこし協力隊) 福島優菜(片隅企画)
『百三十二番地の貸家』
岩渕敏司 山内信人 木村波音(東温市地域おこし協力隊)
池田孝彰(劇団こふく劇場) 福島優菜(片隅企画)
田中まみ 愛洲恵(東温市民劇団)
『屋上庭園』
椙田航平 田中まみ 尾﨑海斗(片隅企画) 愛洲恵(東温市民劇団)
『命を弄ぶ男ふたり』
椙田航平 大瀬戸正宗(東温市地域おこし協力隊/片隅企画/サラダボール)
スタッフ
監修|大瀬戸正宗
照明・音響|中村友惟(東温市地域おこし協力隊)
制作|愛洲恵(東温市民劇団) 片隅企画
[主催]大瀬戸正宗(東温市地域おこし協力隊)
[共催]東温アートヴィレッジセンター
[企画制作]片隅企画
イベント概要
劇作家・岸田國士の名作短編戯曲4作品に触れてみませんか?
舞台芸術カンパニー・片隅企画『命を弄ぶふたりたち』上演に先駆け、劇作家・岸田國士による短編戯曲4編を朗読形式で一挙上演します。
演劇界の芥川賞と言われる「岸田國士戯曲賞」の由来ともなった、会話劇の巨匠による、魅力あふれる戯曲を10名の俳優が朗読でお届けします。
あらすじ
『ヂアロオグ・プランタニエ』
親友である由美子と奈緒子は、ふたりとも同じ男を好きになってしまう。
会話を通してふたりの想い・本音が露わになる、恋と友情をめぐる女ふたりの会話劇。
『百三十二番地の貸家』
妻に先立たれた家を貸しに出したい一人暮らしの老人と、その貸家を見学にきた一組の夫婦、一組の家族、そして一人の女性。
日常会話の中から老人の大きな孤独が静かに浮かび上がる。
『屋上庭園』
あるデパートの屋上で、学生時代の友人である三輪と並木が再開し、二人は近況を語り合うが、
経済的に成功した三輪と貧困生活を送る並木の間には、次第にぎこちなさが生まれ…
『命を弄ぶ男ふたり』
死を覚悟した男二人が、線路沿いの土手の下で偶然出会う。
繊細な眼鏡の男と、包帯で顔を覆った謎の男が、互いの身の上話を語り合ううちに、生への執着が芽生えはじめ…
当日パンフレットコメント(大瀬戸)
今回は、片隅企画初の試みとして、朗読会というものをやってみることにしました。次回公演で戯曲を扱う作家ということもあり、私がお気に入りの岸田國士の短編作品4編を、素敵な俳優の皆さんを迎え、朗読でお届けします。
岸田國士という作家は、会話劇の天才だと思っています。人間という存在の複雑さ・曖昧さ・非効率さを日常会話の中から浮かび上がらせる戯曲は、取り組むごとに新たな価値観を発見させてくれます。岸田は自身の評論「演劇の本質」(白水社)の中で「戯曲の持つ『美』は、文学の他の種類に於いては、求め得られない」と書いています。当然ですが、人間は直接伝えたいことが発することばに100%は含まれてはいません。その裏に本音や働きかけが眠っています。だからこそ、演じる俳優によって様々な色や温度をまとって舞台上に現れるのだと思います。岸田國士は、このように会話から人間の魅力を表出させる作品を多く残しています。しかしその分、演じるにも観るにも「一筋縄ではいかない」作品です。
『ヂアロオグ・プランタニエ』は、片隅企画でも一度上演したことがある作品で、同じ男を好きになってしまった女ふたりが恋と友情の価値観を共有する、というおはなしです。タイトルはフランス語で「春の対話」という意味だそうです。恋愛感情は人々の関係を変え、時には壊すほど、こころに強い作用を及ぼします。由美子と奈緒子の友情と恋愛を天秤にかけた駆け引きが魅力の戯曲です。
『百三十二番地の貸家』は他人を信用することのできない(他人に信用されることができない、かもしれません)一人の老人が、あれやこれや手を駆使して自分の持ち家を人に貸し出そうとする様子がコメディタッチでスリリングに描かれた作品です。
『屋上庭園』は貧富の差から、以前と同じように接することができなくなってしまった友人同士の会話を中心に展開されます。並木が妻との生活の中で細々と保ってきた自尊心が、三輪が裕福であるという事実だけで徐々に崩されていく辛さが魅力の作品です。
打って変わって『命を弄ぶ男ふたり』は不穏なタイトルとは裏腹に綿密なコメディだと思っています。鉄道自殺(当時はあの世へ往くことから「鉄道往生」と呼ばれ、流行していたそうです)に弄ばれる男ふたりのドタバタ感を感じていただければと思います。
ぜひ、岸田國士の一筋縄ではいかない作品たちをお楽しみください。
本日はご来場いただきありがとうございます。
企画 大瀬戸正宗
『ヂアロオグ・プランタニエ』


『百三十二番地の貸家』


『屋上庭園』


『命を弄ぶ男ふたり』


