片隅企画#1『微熱ガーデン』

​片隅企画#1

作=田辺剛(下鴨車窓)
演出=大瀬戸正宗(片隅企画/サラダボール)


パクチーを育ててるんだと、彼女は嘘をついた。


曇り空が一日中続くあるとある地方都市。駅から離れた山の麓にある小さな古アパート。1Kの間取りで四畳半のキッチンと八畳の和室。唯一の窓を開ければ田んぼが一面に広がる。遠くに町の中心部がある。
和室は植物が植えられたバケツで占められている。

−冒頭のト書きより


この作品に漂う閉塞感と孤独感にはどこか他人事ではないリアリティがあると、昨年下鴨車窓さんの上演を観た時から感じていました。
本作は違法な植物を育てる女子大生ふたりの、秘密を共有することによる友情、或いは依存・支配を描いた作品です。私はこの作品で交わされる何気ないやりとりから、日本全体に覆い被さる鬱屈とした霧のようななにかを見ました。この息苦しさはどこかで、わたしたちが共有しているものであるように思います。

片隅企画バージョンでは、ダブルキャストでそれぞれのチームが異なった色合いを持つ作品にしたいと考えています。元の戯曲に含まれる要素のどこを強調してどこをあえて描かないようにするか。俳優とディスカッションを重ねながら色をつけている真っ最中です。
若いメンバーとこの戯曲に向き合えるのが楽しみでなりません。
アパートの一室を舞台に、息苦しい世の中の一端を描きたいと思います。

演出 大瀬戸正宗

微熱ガーデン
京都を拠点に活動する劇団「下鴨車窓」の主宰で、劇作家・演出家の田辺剛氏による作品。
第24回OMS戯曲賞最終候補作。
2016年に京都にて初演され、2018年度からは下鴨車窓のレパートリー作品として、創作メンバーを変えながら全国を巡演している。
舞台は地方都市にある古アパートの一室。そこでは植物が違法に栽培されている。
社会の片隅に置かれ、悪意なき悪と孤独のなかでなんとかして次の一歩を踏み出そうとする若者たちの姿を描いた作品。
本公演では、片隅企画バージョンとして創作、宇多津と善通寺の2箇所で上演する。


出演

*=片隅企画
【A】 汐見玲香 小林明葉* 福家雄介
【B】 福島優菜(アルヒツト)* 桑原日和* 福家雄介
​※A・Bダブルキャストでの公演となります。

日時

[宇多津公演]
2023.
7.12.Wed 19:00〈B〉

7.13.Thu 19:00〈A〉
※受付開始・開場は開演の30分前です。

[善通寺公演]
2023.7.17.Mon 11:00〈A〉/ 14:00〈B〉
※受付開始・開場は開演の30分前です。

会場

[宇多津公演]
こめっせ宇多津(香川県綾歌郡宇多津町1882-3)

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