人形の家

TOONすみっこ演劇くらぶseason3 ショーイング
『人形の家』

作=ヘンリック・イプセン
潤色・演出=大瀬戸正宗(東温市地域おこし協力隊/片隅企画)

2026年6月21日
東温アートヴィレッジセンター アトリエNEST

出演

堀内真由美 曽我部朋子(東温市民劇団) 織田実桜
橘周平 豊永彩理乃 乾優希(東温市地域おこし協力隊)

スタッフ

舞台監督|中村智和(なむペン)
照明・舞台美術|大瀬戸正宗
音響・演出助手・宣伝美術・制作|福島優菜(片隅企画)
制作補佐|尾﨑海斗(片隅企画)

[主催]大瀬戸正宗(東温市地域おこし協力隊)
[共催]東温アートヴィレッジセンター 片隅企画

[協力]一般社団法人Nurture Arts TOON サラダボール

作品概要

「幸福じゃなかったのか、この家で?」
「あたしたちの家は、ただの遊び部屋だっただけよ。」

まもなく弁護士から銀行頭取に出世するヘルメルと、その妻であるノーラは、子供たちと共に順風満帆に見える生活を送っていた。
クリスマスイブの夜、ヘルメルの部下クロクスタの訪問によって、ノーラが父親の署名を偽造して借金をしたという重大な秘密が明かされる。
やがてヘルメルにも暴露の手紙が届き、夫の本当の顔をノーラは知ることになる…
近代劇確立の礎石といわれる社会劇の傑作。

当日パンフレットコメント(大瀬戸)

こんにちは。地域おこし協力隊の大瀬戸と申します。
「TOONすみっこ演劇くらぶ」もおかげさまで3回目を迎えました。今回はシェイクスピア以後世界で最も上演されていると言われる劇作家・イプセンが1879年に発表した『人形の家』を取り上げ、リーディング形式で上演します。

「社会とあたしのどちらが正しいか、確かめてみなくちゃね」
三幕、ノーラは夫ヘルメルにこのように言って家を出ていきます。
この作品はノルウェーの女性解放運動のきっかけともなり、演劇史的に見ても実際の人間の生活から社会を描く「近代劇」というジャンルを確立した記念碑的な作品とも言われています。これだけ長く上演され続けているのは、何よりも登場人物の感情の流れや動機・関係性が緻密に描かれているからだと思います。これはただ女性であるノーラが男性優位の社会で自立するという話ではありません。
傑作戯曲と言われる作品は今の価値観に照らし合わせて様々な読み替えや再解釈をすることができる懐の深さがあります。

私がこの作品で一番の問いだと感じたのは「幸せとは何か」ということです。劇中でノーラは「家」と規定された空間の中で、「かわいい妻」を演じ続けてきました。それはなぜか。それが当時を生きる女性の「幸せ」だと社会が信じていたからです。ヘルメルもそれを信じ、理想の家族像を追求していたのではないでしょうか。
その視点で見ると、社会が作った人形を演じていたのは、ヘルメルも同じなのかもしれません。
私たちが幸せだと、正しいと信じてやまない価値観がこの世にはたくさんあると思います。それらの疑問を掬い出し、ドラマ的手法で世の中に提示するのが、私は演劇の一つの役割だと思っています。

今回も様々な場所で活動する、年齢や経験もバラバラなみなさんが参加してくださいました。みなさんのアイディアや身体性が、この作品に独自の解釈を与えてくれたと思っています。1回きりの集大成をどうぞお楽しみください。
本日はご来場いただきありがとうございます。
演出 大瀬戸正宗

  • URLをコピーしました!
目次